◆平成18年度 税制改正

T.法人所得関連
1.役員給与の損金算入要件の緩和
 法人所得の計算上、損金に算入が認められていなかった役員給与が、事前に支給額、支給時期を定め、また届出を済ませておけば損金に算入できることになりました。
 ただし、「確定額」を届け出るため、届出額より多く支払った場合だけでなく、少なく支払った場合でも損金となりません。
<適用時期>
 平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用。

2.オーナー会社の役員給与の規制
 オーナーに支払う役員給与のうち、給与所得控除部分の損金算入を認めない制度が創設されました。
●対象となる会社
@オーナーとその同族関係者が90%以上の株式を保有し、かつ、
A常勤役員に占めるオーナーとその同族関係者の割合が50%を超える場合
事業年度終了時現況で判定
●対象とならない会社
@その同族会社の法人所得とオーナー社長給与の合計額が800万円以下、または
Aその同族会社の法人所得とオーナー社長給与の合計額が800万円超3,000万円以下で、オーナー社長給与の占める割合が50%以下
事前3事業年度の平均額で判定

 ・会社の範囲
  株式会社、有限会社、合資会社、合同会社の「会社」のみを対象
  医療法人、税理士法人、監査法人、協同組合、NPOなどは対象外
 ・社長の給与の判定
  社長の給与の判定は役員のうち、最高給与の額が判定の対象となります。
  社長の給与を下げて、家族の給与を上げた場合、最高給与の人が対象となりますのでご注意ください。
<適用時期>
 平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用

役員給与の規制

3.交際費課税の範囲の緩和
 取引先や得意先との接待などにおいて、1人あたり5,000円以下の飲食費については、その法人の所得の計算上、損金に算入されることにな りました。
 ただし、領収書に人数、相手先の会社名、氏名に記入が必要となります。
<適用時期>
 平成18年4月1日から平成20年3月31日までの2年間に開始する各事業年度について適用。
※注意点
@法人内の役職員間の飲食費は除外されます。
A5,000円の取扱は税込経理と税抜経理では異なります。
  税抜経理の場合  税抜で5,000円、税込で5,250円まで
  税込経理の場合  税抜で4,761円、税込で5,000円まで
B一次会、二次会と店を変えた場合、それぞれで5,000円までが適用となります。

4.同族会社の留保金課税の要件緩和
(1)対象要件の緩和
  対象となる同族会社は同族関係者3グループによる判定から、1グループで株式等50%超を保有する会社に限定されます。
(2)凍結措置の縮小
  自己資本比率50%以下の会社は保留金課税が凍結されていましたが、廃止されました。
(3)保留控除額の見直し
  保留金課税は下記の算式で課税されます。
  保留金課税 = { 所得税−(法人税等+支払配当)−保留控除 }×税率
  このうち、保留控除は下記の金額のうち最も多い金額となります。
@当該事業年度の所得等の金額の100分の40(資本等の額が1億円以下である同族会社にあっては、100分の50)に相当する金額。
A年2,000万円
B当該事業年度終了の時における利益積立金額が資本金の額の100分の25に相当する金額に満たない部分の金額に相当する金額。
<適用時期>
 平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用。

5.情報基盤強化税制の創設
 企業の情報セキュリティ対策に資するOSやソフトウェア、ファイアウォールなどの設備を取得した場合に、その取得価額の10%相当の税額控除か、50%の特別償却を認める情報基盤強化税制が創設されました。

●対象設備
 対象となる設備は、情報セキュリティ対応のISO15408の認証を受けた次の三つに限られます。
@OS(同時に設置されるサーバーを含む)
Aデータベース管理ソフトウェア(同時に設置されるアプリケーションを含む)
Bファイアウォール(コンピュータネットワークへ外部から侵入されることを防ぐシステム)
<適用要件>
 上記対象設備の年間投資額が300万円以上の場合について適用。
<適用時期>
 平成18年4月1日から平成20年3月31日までの2年間に取得する対象設備について適用。

6.小額減価償却資産の即時償却の上限規制
 中小企業者が取得した30万円未満の減価償却資産についてその取得時に全額を損金算入することを認める「小額減価償却資産の即時償却特例」について、その事業年度の取得価額の合計額が、300万円を超える場合には、その超える分については損金算入できないこととする上限が設けられました。
<適用時期>
 平成18年4月1日から平成20年3月31日までの2年間に取得する減価償却資産について適用。

U.個人所得関連
1.定率減税の廃止
 定率減税は、所得税は平成19年度1月から、個人住民税は平成19年度6月徴収分から、廃止されます。

定率減税の廃止

2.地震保険料控除の創設
 従来の損害保険料控除が廃止され、地震保険料控除が創設されました。
 この制度は、居住用の家屋、生活用動産を保険の目的とする地震保険契約にかかる地震等相当部分の保険料の全額(最高5万円)を、その年分の総所得金額から控除するというものです。平成19年分以後の所得税から適用されます。
 経過措置として、平成18年度末までに締結した長期損害保険契約がある場合は、従前の損害保険料控除を適用することができます(最高1.5万円)。ただし、同時に地震保険料控除も適用する場合は、地震保険料控除と合わせて最高5万円までになります。
 短期損害保険料控除は廃止されましたので、ご注意ください。

3.寄付金控除の適用下限額が5,000円に引き下げられました。

V.土地・住宅税制
1.耐震改修促進税制
(1)住宅に係る耐震改修促進税制
 個人が平成18年4月1日から平成20年12月31日までの間に、その住居用家屋を耐震改修(新耐震基準に適合した改修)をした場合、その費用10%相当額をその年分の所得税額から控除するというものです(最高20万円)。
(2)事業用建築物に係る耐震改修促進税制
 青色申告書を提出する個人又は法人が平成18年度4月1日から平成20年3月31日までの間に、耐震改修促進法の認定計画に基づく耐震改修工事を行った場合、その工事に伴って取得される建物の部分について10%の特別償却ができることとされました。

2.住宅取得資金贈与の特例
 子供や孫がマイホームを手に入れるときに資金援助すると、贈与税の特例が受けられます。これが「住宅取得資金贈与の特例」ですがこの特例は従来、
@通常の贈与(暦年課税)による場合(550万円まで無税、1,500万円まで軽減:五分五乗方式)
A相続時生産課税による場合(3,500万円まで無税)
 がありましたが、@は廃止され、Aのみ平成19年12月31日まで延長されました。